わたしがバイクに乗り始めた30年ほど前。
ツーリングなどでバイクに乗っているときに音楽を聴くなんて考えたこともありませんでした。
ドライブの時に音楽を聴くのはごく当たり前だったのですが。
それが今ではバイクを運転するときに音楽を聴くことは割と一般的になってきたのではないでしょうか?
そういうわたしも、今では音楽を聴きながらバイクを運転するのは当たり前になってしまいました。
むしろ、音楽のないツーリングは考えられなくなってしまいました。
30年ほど前の音楽再生機器事情
わたしがバイクに乗り始めた30年ほど前、音楽を聴く方法は有線放送やラジオ、テレビを除けばカセットテープかCDで聴くことが主流でした。他にはDATがありましたが、テープや機材が高価であまり普及しなかったと思います。(というか、DATを知っている人は結構なマニアな方だと思います^^;)
MDが発売されたのはそのもっと後ですね。
レコードのシェアはCDに奪われ、ディスコ(クラブじゃなくてディスコです^^;)のDJかジャズやクラシック大好きなオーディオマニアの方くらいにしか需要が無くなっていたはずです。
カーオーディオはカセットテープが主流で、CDプレーヤーやCDチェンジャー(CDを10枚程度収納し、再生する機械)もありましたが、高価でしたし、それに車の振動に耐えられず良く音飛びを起こしていました。
ですから、車で音楽を聴くには、CDからカセットテープに音楽をコピーする儀式が必要だったのですね。
携帯用の音楽プレーヤーと言えはカセットテープのソニーのウォークマンが主流で、やっとCDウォークマンが発売されたころではないでしょうか。
ヘッドフォンも有線が当たり前で(ごく一部、赤外線式の無線もありましたが)、今みたいなインイヤー式のイヤホンはまだ発売されていなかったように思います。
イヤホン自体はありましたが、短波ラジオで競馬中継を聞くときに使う、おっさんが使うような野暮ったいイヤホンしかなかったはずです。
現在の音楽再生機器事情
iPodの出現には驚きましたね。メモリーに大量の音楽を保存する、といった発想。しかもあの小さなサイズ。
iPodの出現によってメモリー型の携帯音楽プレーヤーが一気に広がったと記憶しています。MDのシェアを一気に奪い取る形で。
iPodの次がiPhone。iPodと携帯電話を一緒にしちゃうんですからね。びっくりですよ。しかも、ただの携帯電話ではなく、小さなパソコン。
カーオーディオも、以前はCDからカセットテープに音楽をコピーしていた儀式がCDからSDカードやUSBメモリーに移す儀式に代わり、今やiPhoneなどのスマホを繋ぐだけ。
そのつなぎ方も今や有線ではなくBluetooth。
このBluetoothのおかげでバイクでの音楽事情が大きく変わったような気がします。
わたしがバイクに乗り始めた30年ほど前からヘルメットの中に入れられるくらいの小さくて薄いスピーカーは存在していました。当時から無線機はあったので、その無線通話用としてです。
しかしそのスピーカは有線なので、ヘルメットを脱ぐときやバイクから降りるときには必ずそのコードを外す必要がありました。
この、コードを外す、取り付ける、といった作業が思いのほか煩わしく、Bluetoothを一度使うと有線には二度と戻りたくないと思ってしまうほどです。
そしてBluetoothで繋ぐ先はスマホ。
音楽は当然聴けるし、電話ももちろOK。今やナビとしても十分使えるレベル。
一つの道具でいろんなことが出来るのはバイクを乗りにとってはうれしいことです。だって、バイクの運転中は車の運転と違って出来る作業は限られるし、載せることのできる荷物も限られますから。
そう考えると、バイクとスマホの相性が悪いわけはないですね。
記録メディアから配信へ
音楽の記録メディアがレコードからCDに代わり始めたころ、レコード派の方達は「CDの小さなジャケットって、味気ないよね」なんて言っていたものです。
しかし今や、CDすら購入することも少なくなり、音楽はネットで配信される時代。
ジャケットが・・・、なんて過去の話。
AppleのiTunesからでしょうか。音楽配信がメジャーになったのは。
当時は1曲単位やアルバム単位でダウンロード販売されていました。
わたしもこの音楽配信には興味があったのですが、当時は音楽を保存しておくパソコン(というか、ハードディスク)の信頼性が低く、突然壊れてしまうことが多々ありました。
そうなるとせっかく購入した音楽が聴けなくなってしまうので、パソコンが壊れる前提でバックアップを取る必要が出てくるのですが、その行為が面倒だったので結局CDを買い続けていました。
それが今やサブスクの時代。
サブスクは便利
定額料金を払うことによって配信されている音楽を自由に、いつでも聞くことが出来るようになってしまいました。
しかも、配信方法はダウンロードではなくストリーミング配信。
つまり、パソコンや音楽プレーヤー、スマホにダウンロードする必要もなし。
使っているパソコンや音楽プレーヤー、スマホが壊れようが関係なし。
契約しているサブスクにアクセスるためのIDとパスワードさえ忘れなければ。
もちろん、車やバイクで音楽を聴くときにCDからSDカードやUSBメモリーにコピーをするような儀式も一切必要なし。
その音楽配信のサブスクですが、わたしはAmazonのプライム会員なので有料のamazon music unlimitedを利用しています。
プライム会員であれば無料でamazon musicが利用できるのですが、聴くことができる作品数が少ないのでamazon music unlimitedを契約しました。
amazon music unlimitedは月額980円(プライム会員なら780円)。7,000万曲が聴き放題。
車を運転しているときはスマホと車のオーディオをBluetoothで接続し、スマホにインストールしたamazon musicのアプリを使って音楽を再生。
バイクを運転しているときはスマホとヘルメットに取り付けたインカムをBluetoothで接続し、スマホにインストールしたamazon musicのアプリを使って音楽を再生。
家の中ではEchoを使って再生。
好きなときに好きな曲を好きな場所で聴くことが出来ます。
聞きたい曲が分からないときはスマホのアプリで「天気のいい日に聞きたい曲」、「ドライブで聴きたい曲」などイメージで検索すればamazon musicが選曲し再生してくれます。
好きなアーティストがいれば、例えば「テイラースウィフト ステーション」のように「ステーション」と付け加えて検索すれば、テイラースウィフトを聴いている人におすすめの曲を選曲して再生してくれます。
選曲が気に入らなければどんどん飛ばして次の曲を聴けばいいのです。
そうしているうちにお気に入りの曲やアーティストが見つかります。
これが良いところですね、サブスクの。何曲聴いても料金が定額なので。
終わりに
わたしのような40歳台やその上の年齢だと、サブスクは非常に抵抗を感じるのではないでしょうか。
「所有する」ということを重要視する世代ですから。
サブスクは「所有する」といった欲は一切満たしてくれませんので。
音楽に関してはどうでしょう。
所有しているCD、日ごろからすべてのCDを聴いているでしょうか?おそらく聴いているCDはそれほど数枚がないのではないでしょうか?
CDを集めるのが趣味、とか、音質にこだわるからCDを購入する、といったことを否定するつもりは一切ありません。
しかし、聴かなくなってしまうようなCDであれば最初から購入しなければいいのではないでしょうか?
CDを購入する予算をサブスクの契約費に当ててしまえば、1枚のCDを購入する費用で数か月間、1枚のCDに納められている楽曲数をはるかに超える曲を聴くことが出来ます。
また、CDといった物理的な物質が無いので、紛失する心配もなければ、そもそも保管場所も必要ありません。
お金を払って物理的に所有する、といった概念を取り除けば新しい世界が見えてくるように、わたしは思います。